2014年11月19日水曜日

デイヴィッド・エプスタイン「スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?: アスリートの科学」

 デイヴィッド・エプスタイン「スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?: アスリートの科学」

 なさけない話なのだが、読んでる途中まで遺伝子についての本だということに気づかなかった。タイトルであきらかだったのに。——アホだ。しかし、まぁ、取り上げられている様々なアスリートの話がおもしろかったということもある。男女の性差の話とか。スーパーベイビーの話とか(範馬勇次郎を思い出した)。体型のビッグバンの話とか(19世紀終りごろに起きていたらナチスもアーリア人こそ優越人種などと唱えなかったのではないか、とかと考えたり)。
 遺伝的な決定論について作者がどのように考えているか、は本書にゆずるとして「一万時間の法則」が実は平均の一万時間だということを知ってショックをうけた。「マルコム・グラッドウェル「天才! 成功する人々の法則」を読んだとき、なんとなく、どの分野でもトッププロは一万時間の練習時間の蓄積がある、というニュアンスに受けとっていたのだが。
 平均だったのかぁ。
 それなら早熟の天才があらわれたり、大器晩成したりしてもおかしくないってことになるよなぁ。なんとなく騙された感がある。