ビットコインについてぽつぽつといろいろ考えていたこととはまったく関係なく、この本を読み終わってふと思った。公開鍵暗号ってすごいブレークスルーなんじゃないか、と。いちおう、公開鍵暗号については知っていたのだけれど、これがコンピュータなしでは実現できないことだということにようやく気づいた。
コンピュータでやっていることはかつてはコンピュータなしでやっていたことばかりだ。もちろんかかるコストはちがうし、処理速度もちがう。コンピュータがなくなったところで、会社の会計処理は行なわれえるだろう。
ところが公開鍵暗号による身元証明と盗聴防止は不可能だ。
コンピュータで行なうタスクのたいがいは現実の(コンピュータなしの作業の)写像だけど、公開鍵暗号はちがう。これはつまりコンピュータによる質的な拡張といえるんじゃないか。
すごいな、コンピュータ。