2013年12月28日土曜日

FreeNAS on VirtualBox

 ふとFreeNASというものに気づいた。
 もちろん名前自体はどこかで知っていたのだが——たぶんPC-BSDのサイトを見ていたときに、リンクがあってFreeBSDをベースにした製品なんだな、と勝手に思っていた——、よくよくWikipediaとかの説明を読んでみると、もしかしたら中古パソコンを簡単にファイルサーバとかにできるソフトじゃないか。
 しまったなぁ。
 同じ目的で中古のDELLにFreeBSDをのせて壊してしまった。FreeNASなら簡単だったのかも。もう考えてもしかたないことなのだが、ためしにVirtualBoxにいれてみることにした。

 ただ、VirtualBoxのゲストOSをサーバにするにはどうすれば、いいんだ? インストールはできるのだろうが、外(ホストOS側)からアクセスできるようにするには。FreeNASはブラウザから設定するようになっているのだからそれができないとどうしようもない。
 VirtualBoxのネットワーク設定でNATではだめだろう、ということぐらいは見当がついた。つらつら設定を見ていて「ホストオンリーアダプター」がそれだろうということも。しかし、「仮想ネットワークアダプタ」というのがよくわからん。たぶんゲストOS同士なら「内部ネットワーク」でいけるのだろうが、メモリがなくて二個は立ち上げられん。

追記
試してみたところ、ネットワーク設定「ブリッジアダプター」でホストOS側からも、LAN側からもアクセスできたのだった……orz

 おそらくホストOS側で「仮想ネットワークアダプタ」を用意する必要があるのだろう。ググってみてもよくわからん。なんだろう。どうやるのだろう、と思っていたらVirtualBoxマネージャーの環境設定のネットワーク設定にその項目があった。

 +アイコンで追加してやると、ゲストOS側に作成された。

$ ifconfig vboxnet0
ifconfig vboxnet0
vboxnet0: flags=8802<BROADCAST,SIMPLEX,MULTICAST> metric 0 mtu 1500
ether 0a:00:27:00:00:00
nd6 options=29<PERFORMNUD,IFDISABLED,AUTOLINKLOCAL>
media: Ethernet autoselect
status: active

 あとはこれをゲストOSのネットワークで設定してFreeNASをインストールすればOKだった。

 FreeNASのインストール自体はFreeNASサーバー構築編あたりを参照。結果、無事、ホストOSのブラウザから設定画面を見ることができた。

 ただなぁ、中古のパソコンにFreeNASをいれても同等の機能を持つNASが2万しなくて手に入る世の中なんだよなぁ。はあ、なんか自己嫌悪だぜ。

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2013年12月27日金曜日

VirtualBox on FreeBSD

 ずっと思い悩んでいたのだよ。
 ThinkPadにFreeBSDをのせてしまったのでうちにはWindows系のパソコンがデスクトップしかない状態になってしまった。このパソコンが壊れたらどうしよう?
 FreeBSDには印刷する環境をつくってないし、第一、スキャナーが使えない。もしかしたら使えるのかもしれないのだけど、さすがにOCRは無理だろう、と調べてもいない。なのでWindows環境は必要なのだが。
 デスクトップが壊れたらどこにWindows環境をつくれば、いいんだ?
 新しいパソコンを買うお金がないのだからThinkPadにつくるしかないのだけど、そうするとFreeBSD環境をつぶさなきゃならねえ。
 ああ。
 と悩んでいたわけだ。

 ——閃いた。

 FreeBSDに仮想環境をつくれば、いいじゃないか。
 Wineの開発は止まっているというのはどこかで読んだことがある。しかし、たしかVMwareのようなフリーの仮想化ソフトがあったはず……あった。VirtualBox。FreeBSDのpkgにはいっていた。さっそくインストール。
 問題なく、/usr/local/bin/VirtualBoxは動いた。Qtを使っているのかぁ、と思いつつ、何を仮想化してみよう。デスクトップのWindowsはライセンス上、まずいだろうし。だいいち、インストールディスクはどこにいったんだ? あれ。捨てた?
 よし。PC-BSDをインストールしてみよう。
 FreeBSDにFreeBSDを載せるわけだ。
 isoファイルを2時間ほどかけてダウンロードしてマウントして仮想ドライブにインストールしようとして失敗した。
 Kernelがなんたらと文句をいわれた。
 なんじゃろ。
 試行錯誤に半日。グーグル先生に問うこと1時間。VirtualBox - FreeBSD Wikiを見つけた。そうか。何かをカーネルにロードしておかないといけないのか。

/boot/loader.confを作成して追記

vboxdrv_load="YES"

/etc/rc.confに追記

vboxnet_enable="YES"

 PC-BSDを仮想環境にインストール。しかし途中で落ちた。何度か試したあと、原因に気づいた。x64をインストールしようとしていたのだった。うちは32bit環境だ。あらためて32bitバージョンをさがしにいったらふるいのしか、なかった。
 ああ、なんてことだろう。
 もう32bitのCPUなんてレガシーなんだ。世間様は64bitに移行してしまっているんだ。IDEがS-ATAになってしまったようにそのうち、使えなくなってしまうにちがいない。どうしよう。
 とりあえず、手持ちの32bitのOSである、もう使ってないBeOSのインストールディスクをisoファイル化して(外付けのDVDドライブなんてもっていないので)インストールを試みる。ひさしぶりにBeOSのBoot画面を見た。

 が、BeOSがインストール途中でカーネルパニックを起こしてしまった。
 ※どうもOSが古すぎてIDEを認識できてないようだ。しかたないのでかわりにVine Linuxをいれてみたりしたりして。

2013年12月19日木曜日

トニーノ・ヴァレリ監督「怒りの用心棒」

 トニーノ・ヴァレリ監督「怒りの用心棒」

 いやぁ、びっくりした。
 何の予備知識もなく、観ていたのだが、中盤に起きた事件にひっくり返ってしまった。まじかよっ、と思わず、声を出してしまうぐらい。あわてて制作した年を調べてみたらやはりそうで、あり得る。そうか。それで×××なのか。
 西部劇にはめずらしく裏切り、謀略ありでかなりおもしろかった。
 副主人公のマクドナルドなど、アリステア・マクリーンの登場人物か、と思ったほどだ。ちょっと「最後の国境線」とか、「恐怖の関門」を思い出す。

2013年12月12日木曜日

シャロン・バーチュ・マグレイン「異端の統計学 ベイズ」

シャロン・バーチュ・マグレイン「異端の統計学 ベイズ」

 第二次大戦中、Uボート(訳文はユーボートでorz)は脅威だったらしい。何が脅威なのか、いまいちぴんときてなかったのだが、この本でようやく納得がいった。そうか。イギリスはいろいろとアメリカからの輸入にたよっていたのか。そりゃあ、輸送船が沈められたらこまるわけだ。
 などとテーマとは関係のないところで感心してしまったのだが、ベイズの定理についてはよくわかっていない。どうも腑に落ちていないんだよなぁ。存在については知っていたし——知ったのはたぶんポール・グレアム「ハッカーと画家」で、ベイジアンフィルター(spamフィルター)を実装していたのだ。
 きっと有名な「モンティ・ホール問題」もベイズの定理で解けるのだろうなぁ、とは思うのだが、でもどう応用すれば、いいか、さっぱりわからない。=>ここ
 それにしてもチューリングやシャノンまで使用していたとは。
 ——驚きだ。

2013年12月10日火曜日

ThinkPad X60の履歴


ThinkPad X60の 40Y7003 (松下セル)対応バッテリー

 新しいThinkPad X60のバッテリーを買うことにした。
 四台目である。
 本体を購入したのは2006年のことだからほぼ2年ごとにバッテリーを交換して使ってきたことになる。よくもまぁ、使いつづけたものだ。さすがにキーボードはかなりへたってきているが。
 先立つものがあるなら新しいマシンを、という発想もあったのだが、その先立つものがない。予定もない。おれはいったいこれから何年、ThinkPad X60を使いつづけるつもりなのだろうか。憮然とせざろうえない。ディスクが壊れても換装して使いつづけそうだしなぁ。
 我ながら怖ろしい、自分の行く末が。

日付OS
2006-11-23 木ThinkPad X60 購入Windows XP
2008-06-14 土拡張ライフ・バッテリー購入Windows XP
2010-11-13 土SSD換装Windows XP
2010-11-19 金バッテリー購入Windows XP
2012-12-28 金SSD頓死Windows XP
2013-01-02 水HD換装FreeBSD 8.3
2013-10-30 水SSD換装FreeBSD 9.2
2013-12-10 火バッテリー購入FreeBSD 9.2

2013年11月8日金曜日

紙出力

 めっきり紙出力しなくなった。
 パソコンが導入されれば、オフィスから紙が消えるといわれ、実際には紙の消費量が増えてしまったことを知っている身としては、かるく驚いてしまった。つい二、三年前には競馬の予想を毎週、プリントアウトしていたのに。
 紙がもったいないので裏紙を使ったりしていたのに。
 今はほとんど、プリントアウトすることがない。pdf出力してiPadで見ているから。
 そう考えると、iPadは世界を変えたんだなぁ。(ぼくの世界を)

2013年11月6日水曜日

宮本幸裕監督「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」


【注意】物語のラストに言及してます。

 印象的だったのは終演した直後だ。
 場内が真っ暗闇になり、明かりが点くまでだれも身じろぎひとつ、しわぶきひとつあげなかった。だれもが唖然としていたのだ、と思う。明かりが点くとようやくのろのろと動き出し、苦笑したり、かすかに笑ったり人間もいたが。
 怒涛の後半をうまく消化できなかった。
 消化できないのは感情的にだ。TV版の、今までの「魔法少女まどか☆マギカ」を知っているならなおのこと。しかし、ストーリー的にはきわめて論理的に最後に至った。ここまでやってしまったのか、という思いもある。
 その手前で止めれば、傑作とだれもがいう作品だっただろう。
 でも物語はその先まで進んでしまった。
 虚淵〜っ、と怒涛の後半を観ながら悲鳴をあげていた。そこまで行っちゃうの、と。

 終演直後から何度も話を反芻し、頭で考えれば、傑作なんだよな、と思って考えこんでしまった。感情がついてこない。元々、論理的な構造を持つ物語だ。論理的に話を進めれば、ああなるのは必然だともいえる。そして、それを極限まで推し進めている。そういう意味では傑作なのだが、うまく消化できない。

 気づいたのはあのラストに至るような話は世の中にいくらでもあるだろうが、「魔法少女まどか」では決定的に欠けている要素がある、ということだ。ほむらの、まどかにたいする独占欲——それがこの話にはない。それがあったのならむしろ、あのラストは普通でわかりやすかった。作品としては傑作とは呼べないだろうが。今まで似たような話はいくらでもあっただろうし、悪女の深情けをモチーフしたものはほぼ、そのようなパターンになるだろう。
 ところが、ほむらには独占欲がない。
 最終的な世界でほかの魔法少女も健在だという点で、ほむらはまどかを独占したわけではない、ということははっきりしている。むしろ、ほむらは神になってしまったまどかを人間に引き戻したのだ(神を人間にひきずり落とした、というとちがうニュアンスになってしまうので注意)。そういう視点で見ると、ほむらは最初の思い——「守られる私ではなくて守る私になりたい」を達成したのであり、「あなたはこんなところでひとりぼっちで永遠に」というまどかを救ったのだ。
 ただ、それが神になってまで魔法少女たちを救ったまどかの願いを潰えさせてしまったところがこの話のえぐいところだ(だから「叛逆の物語」)。映画の中では明確に描かれていないが——論理的にそうならざろうえない。だからラスト近くでまどかとほむらが対立する予兆をはらむ。
 そして、そういう視点で見ると、ほんとうに最後のところ(ぼろぼろのきゅうべえがあらわれるところ)、あれは……。傾いた姿勢で椅子に腰かけているほむら、そして、そのあとの落下は、ほむらの狂気と自殺を暗示しているのではないか。そうか。そこまでいかないといけなかったのだ、この物語は。

 たぶんこんな話、見たことないし、読んだこともない。神になった話も堕ちた神の話もあるが、神になった人間を人間に引き戻す話は寡聞にして聞いたことがない。

 そういう意味ではやはり「魔法少女まどか☆マギカ」は凄い。

2013年11月5日火曜日

FreeBSD 9.2 swap_pager: I/O error

 SSD換装してFreeBSD 9.2にしたのはよかったのだが、どういうわけか、うまくシャットダウンしなくなってしまった。ほおっておくとrebootしてしまう。よくよくメッセージを見てみると、「swap_pager: I/O error」がでてカーネルパニックを起こしている。
 あれー?
 いろいろ、調べてみたら次のページが見つかった。=>swap error …
 Google翻訳しながら読んでみたところ、どうやら当たりらしく、SSDのためにswapfileを使用しているのが原因のように読める。シャットダウン時、swapfileが解放されてないため、エラーになっている、と(バッファのsyncのときに書きこみにいってエラーになっているのかもしれない)。パッチがでているとのことなのであててみた(部分的にしか、あたらなかったので最後は手作業であてたが)。
 今のところ、正常に動いているように見える。バッファのsyncの前にswapをdismountしたというメッセージがでているから(パッチで追加されたメッセージ)、たぶんだいじょうぶだろう。

2013年11月3日日曜日

昔の写真

車の整理をしていたら本栖湖で乗っている写真(普通の焼付けの)がでてきた。だれにもらったんだったか。midaさんかな? たぶん2003年か、2004年ぐらいの写真。

2013年11月1日金曜日

CtrlキーとCapsキーの入れ替え(Xfce4)

 キーボードの設定してもなんか、CtrlキーとCapsキーの入れ替わらないなぁ、と思って最終的にログインしてから「setxkbmap -option ctrl:swapcaps」を発行していたのだが、偶然、原因が判明。Xfce4でGNOME設定デーモンが動くようにしなければ、ならなかったらしい。
 あほやなぁ、おれ。

2013年10月30日水曜日

SSD換装(FreeBSD 9.2をインストール)

 中古のSSDが手に入ったこともあってThinkPadのハードディスクを換装することにした。ここで換装しないといい切っているけれど。一応、FreeBSD 9.0以降はSSDのtrim対応されているらしいし。SSDをふっとばしたときのOSはWIndows XPで、あれはたしか、trim対応されたなかったはず。
 まぁ、興味本位だが、バッテリーがへたってきているので保ちが多少なりともましになってくれれば、いいと願っている。
 思ったより苦労してしまった。インストールしたのはFreeBSD 9.2。インストーラーがsysinstallからbsdinstallに変更されていてどうやらbsdinstallでOSをインスールしてからそのあと、起動してあらためてsysinstallでpackagesをインストールする、という手順になるらしい。

 とりあえず、SSD全体をひとつのパーティションに設定。swapはディスク割り当てではなく、swapファイルに(trim対応されているのはufsなので)。
 bsdinstallでインストールしたあと、シェルにはいって作業。ここを参照。
 そのあと、インストーラーを再起動して(mountされたSSDをうまくumountできなかった)、ファイルシステムにtrim設定。ここを参照。
 ここまでは楽勝。
 といっても最初はVMWAREから裸族のお立ち台経由でUSBドライブとしてインストールしていたのだが。trim設定してmountしてみると、このSSDはtrimをサポートしてないよ、みたいなワーニングがでた(これは最終的にUSB経由だったかららしい)。

 OSのインストールは問題なかったのだけれど、アプリケーションでつまづいた。
 下記に羅列。

1 subversionがおかしい。

 バージョン1.7と1.8ではチェックアウトされたファイルの管理され方が変更になっているらしく、ごっそりディレクトリ配下をコピーしただけでは動かなかった。この原因がわかるまでかなり右往左往してEmacsのバージョンを24から23にするなど、してしまった。

2 chromeが表示されない。表示域が真っ白。ブラウザ自身は表示しているつもりらしい。

 理由不明。packagesのバイナリミス? 使わないことにする。
 解決=>「FreeBSD-9.2-RELEASE chromium-29.0.1547.57 画面真っ白?

3 gnome2でエラーがでる。

 理由不明。packagesのバイナリミス? gdmからxfce4を使うようにする。

4 gnuplotがpackagesからインストールできない。

 これは以前からそう。どうしようか、考え中。
 結局、portコレクションからのインストールも失敗。頭にきてソースから直にconfigure&makeする。

 ほかにもいくつかあったような気がするけれど(xfce4の設定に苦しむとか)、一応、動作するようになったので、この文章もSSD換装後の環境で書いている。

2013年10月23日水曜日

新房昭之監督「魔法少女まどか☆マギカ」

 かなりの周回遅れで「魔法少女まどか☆マギカ」を観た。
 あちらこちらで大絶賛で傑作といわれているのも知っていたのだけれど(=>『魔法少女まどか☆マギカ』最終話感想(ちょいネタバレ?))、あまり食指は動かなかった。「魔法少女」というタームと絵柄だけでちょっと忌避していた。どうせ、と先入観もあった。ご都合主義のファンジーでしょ、と。今まで一本だって魔法少女ものを観たことなんてなかったのに。

 観る気になったのは監督が「化物語」と同じだと気づいたときだった。
 第3話まで観ると、一気に作品世界に飲みこまれた。もう止まらなかった。ほとんど一気観した。ようやく「化物語」から復帰したばかりだったというのに。また脳内リピートのしすぎで頭が痛い……。正直、ここまですごい作品とは思ってなかった。個人的には「2001年宇宙の旅」すらこえているじゃないか、と思うほどだった(一瞬、作中に「2001年 宇宙の旅」をおもわせるシーンがでてくる)。
 まさか諸星大二郎の「孔子暗黒伝」まで思い出すとは。
 おもしろさのタイプがちがうので比較はできないけれど、「化物語」よりも上かもしれない。ストーリーの練度が高い。それに「化物語」は「千石撫子」にたいする嫌悪感が強すぎてなぁ。もっとも「なでこメドゥーサ」でそれも解消されたけれど。

 話の密度の高さと無駄のなさは異常なほどで、驚いたのはカレンダーにつけられた印すら伏線になっていたことだ。気づいたときには愕然した。
 そして、とくに冒頭シーン。
 そのひっかけに気づいた瞬間、やられたっ、と声をあげてしまった。だまされたっ、そういう意味だったのか、と。なのでこの仕掛けをぼくはきわめて偏愛しているのだが、なんと劇場用に再構成されたとき、カットされてしまっているらしい(Wikipediaによると)。圧縮不可能なほどの密度の作品を圧縮したのだからしかたがないのかもしれないけど——それでもそれはとても悲しい。
 好みが一般的でないことは自覚しているけれど、あの仕掛けを偏愛している人間としてはとても残念だ。

 そして、完全新作の劇場第三作がやってくる。
 また、ぼくに泣けというのか。今でもこの文章を書いているだけで泣けてくるのに。

2013年10月22日火曜日

新房昭之監督「化物語」

化物語 第一巻 / ひたぎクラブ
化物語 第二巻 / まよいマイマイ
化物語 第三巻 / するがモンキー
化物語 第四巻 / なでこスネイク
化物語 第五巻 / つばさキャット 上
化物語 第六巻 / つばさキャット 下

 西尾維新が天才なのはわかっている。

 といってもデビュー作の戯言シリーズの最初の三作品を読んだにすぎないけれど。おもしろいだけではなくて中毒性も高くて、熱狂したり、熱中した作家は何人もいるけれど、ここまで作品世界にはまりこんでしまいそうな作家ははじめてだった。はっきりいってびびって読むのをやめた。
 「化物語」はその西尾維新作品のアニメ化である。
 最初の「ひたぎクラブ」を観てひっくり返った。西尾維新の世界がアニメになっている。しかもそのおもしろさ、中毒性が増幅されている。おそらく(というのも原作は未読なので)。
 で、こちらもびびってつづきを観るのをやめた。
 ところがである。
 テレビ放映中の続編——「物語シリーズ セカンドシーズン」を観てしまった。「傾物語」——もう最後のクライマックスで涙だだもれ。泣きじゃくり。何度も録画を観なおしては泣いてしまう有様だった。「傾物語」ではある日に起きたことがキーポイントになっているのだが、どうもこれは「化物語」のエピソードらしい。
 全話、観た。
 初見ですげえとは思ったけれど、泣かなかった「ひたぎクラブ」ですら泣いてしまった。観なおせば、観なおすほど、涙もろくなってしまうようだった。こんなに情動を揺さぶられてしまうとは。
 一番、好きな話は「まよいマイマイ」なのだが、ラストで主人公がヒロインにいうセリフが理解できなくて何度も見返してしまった。それでもわからない。なんだろうなぁ、と思いつつ、「化物語」の音楽CDをAmazonで探していているとき、その中にそのセリフを冠した曲があった。その字面を見てようやく意味がわかった。「戦場ヶ原、蕩れ」
 あっ。
 あんなにアニメの中に文字があふれているのに「戦場ヶ原、蕩れ」という文字を挿入してくれてなかった。一瞬でも見せてくれれば、すぐにわかったのに。
 まぁ、一番、好きなエピソードはエンディングテーマにもなっている「つばさキャット」の「其ノ貳」だが——これも何度、観なおしたことか。気づくとネチネチといろんなシーンを脳内でリピートしていて、黒羽川の「ニャーハハハ」という声が耳にこびりついてはなれなかった。さすがに耽りすぎて頭痛がした。

 以上、療養もかねて。