化物語 第一巻 / ひたぎクラブ 化物語 第二巻 / まよいマイマイ 化物語 第三巻 / するがモンキー 化物語 第四巻 / なでこスネイク 化物語 第五巻 / つばさキャット 上 化物語 第六巻 / つばさキャット 下
西尾維新が天才なのはわかっている。
といってもデビュー作の戯言シリーズの最初の三作品を読んだにすぎないけれど。おもしろいだけではなくて中毒性も高くて、熱狂したり、熱中した作家は何人もいるけれど、ここまで作品世界にはまりこんでしまいそうな作家ははじめてだった。はっきりいってびびって読むのをやめた。
「化物語」はその西尾維新作品のアニメ化である。
最初の「ひたぎクラブ」を観てひっくり返った。西尾維新の世界がアニメになっている。しかもそのおもしろさ、中毒性が増幅されている。おそらく(というのも原作は未読なので)。
で、こちらもびびってつづきを観るのをやめた。
ところがである。
テレビ放映中の続編——「物語シリーズ セカンドシーズン」を観てしまった。「傾物語」——もう最後のクライマックスで涙だだもれ。泣きじゃくり。何度も録画を観なおしては泣いてしまう有様だった。「傾物語」ではある日に起きたことがキーポイントになっているのだが、どうもこれは「化物語」のエピソードらしい。
全話、観た。
初見ですげえとは思ったけれど、泣かなかった「ひたぎクラブ」ですら泣いてしまった。観なおせば、観なおすほど、涙もろくなってしまうようだった。こんなに情動を揺さぶられてしまうとは。
一番、好きな話は「まよいマイマイ」なのだが、ラストで主人公がヒロインにいうセリフが理解できなくて何度も見返してしまった。それでもわからない。なんだろうなぁ、と思いつつ、「化物語」の音楽CDをAmazonで探していているとき、その中にそのセリフを冠した曲があった。その字面を見てようやく意味がわかった。「戦場ヶ原、蕩れ」
あっ。
あんなにアニメの中に文字があふれているのに「戦場ヶ原、蕩れ」という文字を挿入してくれてなかった。一瞬でも見せてくれれば、すぐにわかったのに。
まぁ、一番、好きなエピソードはエンディングテーマにもなっている「つばさキャット」の「其ノ貳」だが——これも何度、観なおしたことか。気づくとネチネチといろんなシーンを脳内でリピートしていて、黒羽川の「ニャーハハハ」という声が耳にこびりついてはなれなかった。さすがに耽りすぎて頭痛がした。
以上、療養もかねて。