2017年3月31日金曜日

and

 たとえば、リストになった数値の合計はapplyを使って次のように書ける。

(apply '+ '(1 2 3))
6

 じゃ、真偽値のリストをまとめるのはこうだな。

(apply 'and '(t t nil))

 と思った。あかんかった。

apply: Invalid function: and

 になってしまった。たしかにandをhelpしてみたら。

and is a special form in `C source code'.

(and CONDITIONS…)

Eval args until one of them yields nil, then return nil.
The remaining args are not evalled at all.
If no arg yields nil, return the last arg's value.

 スペシャルフォームだった。
 まぁ、こう書けばいいんだけど。

(require 'cl)
(cl-reduce (lambda(x y)(and x y)) '(t t nil))
nil

 elisp固有か、と思ったらCommnLispも同じだった。

(apply 'and '(t t t t))

debugger invoked on a UNDEFINED-FUNCTION in thread
#<THREAD "main thread" RUNNING {1002827193}>:
The function COMMON-LISP:AND is undefined.

 なんと。

2017年3月30日木曜日

FreeBSDでストライピング

 ThinkPadにお立ち台で外付けしているSSDが満杯になってしまった。128Gである。別にマイニングをしているわけではないのだが、Bitcoinを動かしていてそのデータが100Gを超えてしまったのだ。つい数年前は50Gで充分だったのに。あっという間にデータが増えた——世の中でけっこうBitcoinが使われているのだろう。
 所有しているBitcoinはほんとうに微々たるものなので、ま、いいか、と思っていた——そのためにハードディスクを買うのも何かちがうな、と。それで半年ほど放っておいたのだが、時々、思い出してはZFSが使えればなぁ、とは思っていた。
 というのもZFSでストライピングすれば、あまっているハードディスクを接続して(二台のハードディスクを)一台として使える。そうすれば、300Gほどのハードディスクになる。しかしThinkPadは32bitマシンで、ZFSを使うのはきつい。あきらめていた。すっかり忘れていたのだ。ZFSにしなくてもFreeBSDでハードディスクをストライピングできることを。
 それを唐突に思い出した。

 ——あっ。

 「倉庫番」みたいにハードディスクのデータをあちらこちらへ移動させて最終的に二台の160Gのハードディスクを用意した。その過程でBitcoinのデータは削除することになってしまったけれど。本末転倒である。しかし、Bitcoinのデータはネットからもう一度、落としなおすことができる。
 この二台をお立ち台でThinkPadにつないで300Gのハードディスクにしてしまおうというわけだ。けっこうはまるかな、と思っていたら「https://www.freebsd.org/doc/handbook/geom-striping.html」の通りにやったらあっさりできてしまった。つまらん。

$ df -h
Filesystem          Size    Used   Avail Capacity  Mounted on
/dev/ada0p2         115G     81G     25G    77%    /
devfs               1.0K    1.0K      0B   100%    /dev
procfs              4.0K    4.0K      0B   100%    /proc
/dev/stripe/st0a    289G    8.0K    266G     0%    /mnt
$

 300Gというのはのぞみすぎだったけれど。

2017年3月23日木曜日

庵野秀明監督「シン・ゴジラ」

 庵野秀明監督「シン・ゴジラ」

 DVD販売に気づいたのは販売開始の数日前だった。
 あわててAmazonで注文したのだけれど、さすがに開始当日には手に入らなかった。家にとどいたのは翌日——一日、部屋でじっと待つも、メール便だったため、ポストに投函されただけで、呼び出されるとばかり思っていたため、夕方までそのことに気づかなかった。アホだ……。
 それからすぐに二回連続で観た。ひと休みしてまた、観たくなってもう一回。合計三連続である(公開時をふくめて四回目)。
 夜中までかかった。

2017年3月21日火曜日

B・ジャック・コープランド「チューリング」

 B・ジャック・コープランド「チューリング」

 モルテン・ティルドゥム監督「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」を観てひとつ疑問に思った。この女性はほんとうに存在したんだろうか。もしかしたら架空の人物?1
 で、本作を読んだ。映画の原作ではないけれど。

 どんだけ天才やねん! と、思わず突っこんでしまった。

チューリングは、後に人工知能の中心となる数々の概念 (いくつかの場合は他の人がそれを再発明した)について紹介している。そうしたものの中に、遺伝的アルゴリズム (GA)の概念も含まれている。

本書 P262

 しかもどう見てもワトソンとクリニックによるDNAの構造解明の前である。唖然(別にDNAの構造と遺伝的プログラミングは関係ないけど(たぶん))。

 それにしてもチューリングの死はホルモン投与療法が終了したあとのことだったとは。なんとなくホルモン投与の影響で精神のバランスを崩して自殺したのだ、と思っていた。2

Footnotes:

1

Wikipediaを見れば、すぐにわかったのだけれど。

2

本書では自殺については疑問視している。

2017年3月13日月曜日

ローレンス・クラウス「宇宙が始まる前には何があったのか」

 ローレンス・クラウス「宇宙が始まる前には何があったのか」

 ——宇宙の果てにはどうなっているのか。

 子どものころ、学研の「科学と学習」だったか、「少年マガジン」でそんなQAを読んだ。答えはまっすぐ進んでいるつもりでも空間が曲がっているため、やがて元の場所にもどってくる。つまり宇宙は閉じている。
 そのころに観たテレビドラマの最終回で、主人公が宇宙を漂流してしまい、宇宙の果てを超えて花畑の元の世界にもどってくる、というのがあった。もしかしたら元の世界ではなく、平行宇宙だったのかもしれないけれど。非常に印象に残っている。1

 現在の科学の知見では宇宙は開いているわけでも閉じているわけでもなく、平坦らしい。実はこの本の後半、読み進めるのがわりとつらかっただけど、それは「無」から何かが生じるのが、どうしても納得できなかったからだ。作者が神学者や哲学者から反論されているように、それはもう「無」じゃないんじゃね? とどうしても思えてならなかった。
 それがふと腑に落ちた。
 別に作者がそれを説明した部分でもなかったのだが——。

 この本の中で何度もでてくる対消滅の話だ。
 物質は反物質と出会うと対消滅する——このこと自体は納得がいくし(理解しているわけではないが)、なんとなくわかる。腑に落ちる。それなのに、なぜ、無から物質と反物質が生じることを納得できないのか。
 物質と反物質が出会って「無」になるのなら「無」から物質と反物質が生じてもおかしくないではないか——と、ふと気づいたのだ。この本の中で何度もくりかえしてでてくるように。

 もう一点、衝撃を受けたのは多宇宙(マルチバース)についてだった。
 NHKのドキュメンタリーなどでマルチバースについて語られるのを観ていてなんとなく、マルチバースというのは可能性としての宇宙のことなのだ、と理解していたのだが、どうやらそうではなく、現実にそこに存在しているという話らしい。見ることも触れることもできないが。たしかにそうでなければ、おかしいのだけれど——人間に都合のいい宇宙があることの理由として。

Footnotes:

1

どうやら「キャプテンウルトラ」の最終回らしい。

2017年3月11日土曜日

結城浩「暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス」

 結城浩「暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス」

 ずいぶん昔のこと——はじめて公開鍵暗号のことを知ったときはすげー、と感動したものだった。目からウロコだった。こんなんありか、と。そのころはまだ、ネットで買い物をするなんてとんでもないと思っていたころで、クレジットカードの番号を入力するなんてとてもじゃないが、やる気はしなかった。
 それがいまや、Amazonに依存しまくりだ。
 今回は言葉だけ知っていたDiffie-Hellman鍵交換がようやく腑に落ちて鼻の穴がひろがった。すごいな、人間。

2017年3月2日木曜日

モルテン・ティルドゥム監督「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

 モルテン・ティルドゥム監督「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

 いやぁ、おもしろかった。
 もともとカンパーバッチが好きなので公開当時にも観に行きたかったのだが、タイミングを逸してしまっていたのだ。しかもあのアラン・チューリングを演じるという。そりゃあ、観るしかないでしょ。
 不思議と数学者ジョン・ナッシュの生涯を描いたロン・ハワード監督「ビューティフル・マインド」とシンクロするところがあって感慨深かった。天才数学者がかたや第二次大戦、かたや冷戦で必要とされ、謀略に関わる、という。1
 内容とは関係なく、感心してしまったのはエニグマをどうやって解くか、ということだ。コンピュータをつくって解いたことは有名な話なので知っていたけれど、どうやったのかは知らなかった——どうやらエニグマで可能なプラグとダイヤルの組み合わせを全検索で解こうとしていたらしい。
 それに気づいたときには思わず、笑ってしまった。不可能だから、という意味ではなく、アラン・チューリングはフェルマーの定理(だったと思うけれど)を同じようにコンピュータに全検索させて解こうとしたことを思い出したからだ。2
 ——発想が同じじゃん。
 そもそもの有名なチューリングマシン3も発想の基礎は同じといえるし。
 やはりは現代は「チューリングの大聖堂」なのだなぁ、と思うこと、しばし。

Footnotes:

1

次の数学者ムービーはフォン・ノイマンあたりだろうか。考えるだけで死ぬ間際のフォン・ノイマンのエピソードで泣きそうだ。

2

証明のためではなく、反証を探し出そうとしたのだったと思う。

3

もうひとつの有名なチューリングテストのことも映画の中に組みこまれていて感心した。テストそのものではなかったけれど。