モルテン・ティルドゥム監督「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
いやぁ、おもしろかった。
もともとカンパーバッチが好きなので公開当時にも観に行きたかったのだが、タイミングを逸してしまっていたのだ。しかもあのアラン・チューリングを演じるという。そりゃあ、観るしかないでしょ。
不思議と数学者ジョン・ナッシュの生涯を描いたロン・ハワード監督「ビューティフル・マインド」とシンクロするところがあって感慨深かった。天才数学者がかたや第二次大戦、かたや冷戦で必要とされ、謀略に関わる、という。1
内容とは関係なく、感心してしまったのはエニグマをどうやって解くか、ということだ。コンピュータをつくって解いたことは有名な話なので知っていたけれど、どうやったのかは知らなかった——どうやらエニグマで可能なプラグとダイヤルの組み合わせを全検索で解こうとしていたらしい。
それに気づいたときには思わず、笑ってしまった。不可能だから、という意味ではなく、アラン・チューリングはフェルマーの定理(だったと思うけれど)を同じようにコンピュータに全検索させて解こうとしたことを思い出したからだ。2
——発想が同じじゃん。
そもそもの有名なチューリングマシン3も発想の基礎は同じといえるし。
やはりは現代は「チューリングの大聖堂」なのだなぁ、と思うこと、しばし。