2009年10月30日金曜日

三橋貴明「マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~」



 最近、時々、林原のコマーシャルをテレビで見かける。
 社長が「カンブリア宮殿」にでたりしていたし。
 それはともかく、どうしてテレビコマーシャルをうつのだろう、と疑問でそんなことをする必要のある会社に思えなかったからだが、三橋貴明「マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~」を読んで何かわかったような気がした。
 「マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~」によると、テレビコマーシャルの値段がダンピングされまくっているのだ、という。この不況の時期に余分の金をだせる林原のような会社が――税金対策もあるのかもしれないが――テレビコマーシャルを打つ。うーん。納得できる。
 納得できるだけで真実は何か、まったくわからないわけだけど。

2009年10月28日水曜日

レナード・ムロディナウ「たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する」


 「たまたま」を読みながらしきりに既視感を覚えてしかたがなかった。
 たしかに「まぐれ」とコンセプトは近いけど――実際には「まぐれ」の方が強烈で不確定性に寄っている――、なんだろう。ラプラスが確率論を応用して惑星の位置を計算したという話をどこで読んだのだろう、と思っていたらようやく思い出した。アダム・ファウアーの「数学的にありえない」だった。こちらはエンターテインメントだが。
 なんか、このところ、統計や確率がらみの本をよく読んでいる。世の中のはやりなのか。よくわからないが。たんに自分の興味がそっちに向いているだけという気もする。みたび、競馬をはじめたぐらいだから。
 そして、「たまたま」を読んで勝間本を読むたびに覚えていた違和感の原因が少しだけわかった。たとえば、「起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術」の中ではじめて書いた本は売れず、売れている本を研究して次に書いた本がベストセラーになった、というようなことが書いてあったのだが――「たまたま」の文脈でいえば、それは次のようになる。
 ――たまたまなんじゃね?
 そうなんだよな。結果を意識的に選択できたような書き方が違和感なのだ、とようやく了解できた。そして、そう感じるのはもしかしたらぼくがギャンブルに耽溺するタイプの人間だからなのかもしれない。

2009年10月27日火曜日

elispでhtmlのtableをparse

 Meadowにhtmlからデータを取りこみたいと思ってhtml-parserがないか、と探し回ってみたけれど、見つけることができず。xml-parserはあるのだけれど、htmlを喰わせるとエラーになる。自分でプログラミングするしかないか、とあきらめてつらつらと考えてふと思いつく。タグを()に置換してやれば、elispのreadで取りこめるのでは?
 どうせ、取りこみたいのはtableのデータだし。
 で、つくってみた。あっさりできたのでびっくり。うーん。やはりLispのかっこは凄いな。汎用性はないだろうけど(tableのタグは他にもあったような気がする)、ぜんぜんぼくには充分。
(defun read-html-table()
"カレントバッファをhtmlのtableのみだと仮定してlistとして取り込む"
(let ((proclist '((lambda()(replace-string "(" "\"("))
(lambda()(replace-string ")" ")\""))
(lambda()(replace-string "[" "\"["))
(lambda()(replace-string "]" "]\""))
(lambda()(replace-string "#" ""))
(lambda()(replace-string ";" ""))
(lambda()(replace-regexp "<table[^>]*>" "("))
(lambda()(replace-regexp "</table>" ")"))
(lambda()(replace-regexp "<tr[^>]*>" "("))
(lambda()(replace-regexp "</tr>" ")"))
(lambda()(replace-regexp "<td[^>]*>" "("))
(lambda()(replace-regexp "</td>" ")"))
(lambda()(replace-regexp "<[^>]*>" " ")))))
(mapcar (lambda(x) (goto-char (point-min)) (funcall x)) proclist)
(goto-char (point-min))
(read (current-buffer))))

でも遅い。しかたないか。

2009年10月26日月曜日

ゼノンのパラドックス

ゼノンのパラドックス

あるところにアキレスと亀がいて、二人は徒競走をすることとなった。しかしアキレスの方が足が速いのは明らか(注:イリアスにおいてアキレスの枕詞の一つは「駿足の」である)なので亀がハンデをもらって、いくらか進んだ地点(地点 A とする)からスタートすることとなった。

スタート後、アキレスが地点 A に達した時には亀はアキレスがそこに達するまでの時間分先に進んでいる(地点 B)。アキレスが今度は地点 B に達したときには亀はまたその時間分先へ進む(地点 C)。同様にアキレスが地点 C の時には亀はさらにその先にいることになる。この考えはいくらでも続けることができ、結果、いつまでたってもアキレスは亀に追いつけないことになる。

ゼノンのパラドックスの中でも最もよく知られたものの一つであり、多数の文献は彼の手に帰しているが、歴史家パボリノスの説によれば、この議論を創始したのはパルメニデスであるという

 実ははじめてこの話を読んだとき、うまく理解できなかった。
 パラドックスと認識できなかったのだ。
「いつまでたってもアキレスは亀に追いつけないことになる。」の「いつまでたっても」というのがまちがっているだろうとしか、思えなかった。パラドックスの前提は進む距離をどんどん細分化しているわけど、記述されていないことがある。時間もまた、無限に細分化している。進む距離が小さくなったということはその分、かかる時間も小さくなったということなのだから。
 つまり「いつまでたっても」というのではなく、ある時点(アキレスが亀を追い抜く瞬間)までの距離と時間を無限に細分化しているだけ――そうとしか、思えなくてパラドックスではなく、ただの嘘じゃん、としか、思えなかったんだよね。

2009年10月24日土曜日

関東で地震が今後30年に起きる可能性は70%

 関東で地震が今後30年に起きる可能性は70%、とテレビのニュース番組でいっているのを聞いて何をいっているのか、うまく実感できなかった。30年に70%という確率は高いのか、低いのか。まったくわからん。単純に70%といえば、普通は高いと感じるので来月にも引っ越してしまいたくなったのははたしかだが。
そのため関東エリアでは、首都直下地震と呼ばれるタイプのM7クラスの地震が、今後30年間で70%ぐらいの確率で起きるといわれています。

 だいたい、1年での確率はどれくらいなんだ?

 たとえば、コイン投げを30回くりかえしてそのうち1回以上、裏がでる可能性はどのくらいだ? 起きる組み合わせは 2の30乗通りだよな。えーと、Googleに計算させたら1073741824と出た。そのうち、1回以上、起きる可能性は1073741823/1073741824->0.999999999。
 つまり 99.9999999%の確率で裏のコインがでる、と。

 えっ?

 関東で地震が起きる可能性は70%だよな。 99.9999999%よりはるかに低いじゃないか。地震が起きるかどうかを丁半博打と考えたらそうなる。じゃ、どのくらい裏になりやすいコインだったら(地震が起きるのなら)30回くりかえすと、70%になるのか。
 これは

 1-(表になる確率の30乗)が0.7

 になれば、いいわけだから(表になる確率の30乗)が0.3か。Googleに計算してもらった。0.96^30 = 0.293857643

 表になる可能性が96%、裏になる可能性が4%のコインだと30回くりかえせば、1回裏がでる確率が70%ぐらいになる。

 ということはこの1年で地震が起きる確率は4%ということか。
 まぁ、けっこう高いかな。他の地域での起きる確率がわからないので比較しようがないけれど。
 それでも来月、引っ越ししなければ、というほどじゃないな。

2009年10月22日木曜日

海老原嗣生「雇用の常識「本当に見えるウソ」」



 うーん、どうなんだろう。
 著者の主張に賛成だとも反対だともないのだけれど、恣意的に統計資料を使用しているような見えてしかたがない。たとえば、第三章検証10では人口動態を考慮して35歳未満の正社員数が減少していることを批判しているけれど、第一章検証1では雇用は長期化している、と主張しているときには人口動態のことが考慮していない。新入社員が減少すれば、継続年数25年の割合は増えるわけだから考慮しないといけないのではないか。
 なのでちょっと納得しづらいよなぁ。

2009年10月20日火曜日

postgreSQLとOpenOffice

 postgreSQLのODBCをインストールしてOpenOffice経由でいじれるようにしたのだが、OpenOfficeのデータベースソフト経由からではテーブルのプライマリーキーを複数指定できないらしい。うーん、これでは。しかも表計算ソフトから複数レコード分のデータのコピー&ペーストもできない。csvファイルからのimportも見たところ、できないようだ。しかたないので結局、MeadowからSQLを直打ち。ODBCをいれた意味ねぇ。こまったもんだ。これではマイクロソフトに対抗できんのでは――表計算もエクセルのピボットテーブルに相当するものが見当らないし。残念。

2009年10月19日月曜日

postgreSQLとMeadow

 Windows版のpostgreSQL 8.4.1をインストール。なのにMeadowのsql-postgresからうまくアクセスできない。なんか変な感じ。パスワード入力の部分で行った切りになっているような。
 しかたないのでローカル環境からの認証をtrust認証にしてパスワード入力を殺す(pg_hba.confを修正)。それでもsql-progresで動かないな――と思ったらプロンプトが表示されていないだけでやりとりはできた。まぁ、これで今はいいか。
 返却されるコードがUTF-8らしいので.emacsに
(modify-coding-system-alist 'process "psql" 'utf-8)

 を追加。

2009年10月17日土曜日

エイヴリー・ギルバート「匂いの人類学 鼻は知っている」



 ひさしぶりにおもしろくて興奮した。
 自分の考え方に衝撃をあたえるようなタイプではなく、未知の知識に驚きまくる。サブミニナルの有名なコカコーラの映像を映画のフィルムに挿入した実験は実は信憑性がないことは知っていたけれど、あらためて納得。
 それにしても犬の嗅覚が人間の1000倍あるとかha、どうやらいうのは都市伝説のたぐいらしいのにも驚くし、一番、あれえ、と思ったのが、喫煙は嗅覚を鈍くするということはない、ということだ。そんな実証結果はないという。
 そうなんだ。

2009年10月8日木曜日

アルフレッド・ヒッチコック監督「めまい」



 元々、ヒッチコックは大好きなんだけど、不満が少しだけあって前半はむちゃくちゃおもしろいのに、どうして後半は失速してしまう傾向があるんだろう、と。まぁ、前半の伏線を回収して謎を説明しなければ、いけないのでそれはあたりまえの話なのかもしれないが――。
 ところが「めまい」は逆に後半になると、むちゃくちゃおもしろくなる。前半がヒッチコックにしてはサスペンス不足と思わせるのを我慢して見る価値があるほど。しかも最後の最後に驚天動地というわけではないが、叙述トリックが仕掛けられていてあっと思ってしまった。結構、評価高し。
 ただ、もったいないのは映像と音がリマスターしたもので、それがボーナストラックでいっているほどよくないこと。公開当時の状態で観たかった。

ジル・プライス/バート・デービス「忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私」



 自分に起きた出来事――自伝的記憶を詳細に思い出すことができる超記憶症候群(ハイパーサイメスティック・シンドローム)のジル・プライスという女性の自伝。しかも日付でその記憶を思い出せ、起きたことの日付を正確に思い出せる、という。これは起きたことの順序を正確に思い出せるということで、たとえば、阪神大震災と地下鉄サリン事件、どちらが先に起きたか、ということが一瞬、わからなくなるぼくみたいな人間には驚異だ。

 たぶんライティングした人間がとても上手で、幼ないころから居場所を見つけられなかった主人公が自分を知り、居場所を見つけるというストーリーにうまく構成されていて興味深くおもしろく読める。だけれど、ひとつ、知りたいことが描かれていなくて欲求不満だ。
 ――超記憶を持つジル・プライスはどんな夢を見るのだろう?
 描かれてないから知りたいと思っているのかもしれないが。