2021年7月14日水曜日

佐藤雅彦「認知症になった私が伝えたいこと」

 二度ほど記憶を失くしたことがある。
 一度目は交通事故なので、これはあきらかに外因性なのだが、もう一度はウィンドの帰りに記憶を失くした。
 いろいろあったのだが——断片的な記憶は残っている——、ぎょっとしたのはLINEのやりとりだった。どこにいるのか、わからない、と何度もメッセージを送り、今打ったメッセージの記憶がない、とパニックになっていた。
 そのパニックになったときの記憶は翌日の自分にまったくなかった。
 よく自力で家にもどれたものだ。

 なので認知症になるということはそういう感じなのだろう。
 以下は著者が認知症にそなえて、という一覧。

[ ] 将来、どこに住みたいか、どんな暮らしがしたいかをまとめておく。
[ ] 自分史を書いておく。
[ ] 財産目録を作成しておく。
[ ] 生命保険の書類をまとめておく。
[ ] 家の登記簿をまとめておく。
[ ] 遺言書を作成しておく。
[ ] 終末期医療の治療の希望をまとめておく。
[ ] 自分が死亡したときの連絡先をまとめておく。
[ ] パソコンやタブレット端末の操作を覚える。
[ ] 不必要なものは早めに捨てて、シンプルな生活を心がける。

 メメントを思い出す。