2009年4月5日日曜日

賞を獲って生きていく by 中郎

 失職して何がこまるかというと、あたりまえの話だが、収入がない、ということだ。どうやって御飯を食べていけば、いい?
 かつて同じような状況のときには競馬で喰えないか、と思ったが、これは果せなかった。しっかり挫折した。すっかり空っけつになった。貧すれば、鈍す、という言葉をこの身を持って体験してしまった。
 では今回はその第二弾ということになるのか?

 パチンコという線もあるにはある。
 ただ、これは呼吸器系が貧弱なぼくにはかなりきつい。完全禁煙なパチンコ店なんて存在しないからだ。あったとしてもそんな店は玉を出してくれないだろうし。


 じゃ、懸賞というのはどうだろう。
 「なすびの懸賞生活」というのが、かつてあったが――ぼくの頭の中にあるのはむしろ「ザ・プライザー」というマンガだ。思えば、このマンガの主人公の中郎が最初に「ザ・プライザー」として金を獲るのは競馬なんだよな。もしかしたらこのマンガのインプリンティングでぼくは馬券生活をやってしまったのではないか。今さらながらそう思わなくもない。なぜならこのマンガを読み、単行本を買い、何度も読み返したころにはまだ、競馬というものを知らなかったからだ。公営と中央の区別すらついてなかった。今、読むと、中郎がやったのは公営競馬なんだよね。

 懸賞なら喰えるだろうか?
 たとえば、週刊誌のクロスワードパズルとかの賞金は1万円ぐらいだ。週刊誌はいくつある? うーん、週刊ポスト、週刊新潮、週刊読売、サンデー毎日……まだまだ、あるよな。全部にだせば、いけるか?
 うーん、どうだろう。
 常識的な判断では答えはもちろん、否定的なんだが、その判断には何の根拠もない。たとえば、競馬で喰えるわけはない、というのはたしかに常識的な判断だが、世の中には喰えている人間も非常に少人数だが、いるという現実がある。