2009年4月3日金曜日
平野耕太「HELLSING」
テレビアニメ版が最初だった。
しかも放映時の出会いではなかったのでずいぶんと「HELLSING」との出会いは遅かったことになる。が、それは幸いだったかもしれない。結局、完結まで何年も待たされることになったからだ。これが初期のころからだったら十年以上、じっと我慢しなければ、ならなかった。
平野耕太のテレビアニメ版への評価がどんな感じなのかは知らない。
あまり高くないだろうとは想像できるが、それは大概の原作者がそう考えるだろうからだ――アニメを観たあとに原作を買い求めたのからわかるようにぼくはテレビアニメ版はとても楽しめた。もちろん原作を読んでしまった今は、作品としては原作の方がはるかにいいことはわかっている。
テレビアニメ化されたのはたぶんヤン兄弟のエピソードのちょっとあとぐらいが描かれたころだと思うのだが、これが感慨深い。というのもそれ以降に描かれた「HELLSING」のエピソードの数々はだいたい、アニメに形をかえてだが、取り込まれているからだ。ロンドンの街が破壊されるシーンは元よりそこへアンデルセン神父が現われたり――アニメでは一瞬、ちょっとでるだけだったが――、セラスが狼男と対決したり、そして、ミナかぁ。もちろん大隊はなく、アニメではリアルアンデッドに置き換えられたりしているが、血が大河となって集まるシーンなどもアニメ版でも使われているシーンだ。
これはどういうことかというと、平野耕太はヤン兄弟の話を描いているころにはすでに最後までストーリーができていた、ということだ。
凄いなぁ。
そして、そうなら完結まで時間かかりすぎだろう、と突っ込みをいれたくもなる。