2016年8月11日木曜日

庵野秀明総監督「シン・ゴジラ」

 監督が庵野秀明だと知って俄然、観に行く気になった。
 期待は裏切られなかった——というか、その期待すら上回り、観たことのない光景が目の前にひろがる快感に唖然とした。前情報を何も知らずに観に行ったので、塚本晋也監督が俳優としてあらわれたときにはそちらが気になってしかったなかったけれど。ほんとに塚本?
 接点があったとは知らなかった。どうやら樋口監督がらみだったらしい。

 ゴジラ・シリーズというより「ゴジラ」のリメイク版でまちがいなくポスト福島原発事故の映画だった(ハリウッド版もそうだったけれど)。
 それにしても最後は妥協したんじゃないんだろうか。
 最後の最後の、大塚英志のゴジラ論を取りこんだようなシーンは最後のあがきだったようにも思える。個人的には「巨神兵東京に現わる」のラストのような光景を観たかった。核爆発で光に包まれた東京を陽炎のような影となって歩いていくゴジラの姿を。