もらわれてきたばかりのころは当たり前の話だが、警戒心旺盛だった。目が合うや、逃げ出してばかりいた。しかし、やがてメシをだしてくれる相手と認識してくれたのか、時には触ることもできるようになった。
ところがだ。
今や警戒心丸出しで睨みつけられる始末だ。触ることができる距離にもけして近寄れない。ViViなど手をのばすと威嚇してひっかいてくるほどだ。
避妊手術のために二度、強引に捕まえた。それ時、以来——。
すっかり嫌われてしまった。
何しろ、そのとき、ViViは恐怖のあまり、脱糞した。おしっこも漏らした。ラックの奥に逃げ込む道々にはころころとウンコが転がっていたのだ。
そんなことをあった以上、しかたないといえば、しかたないのだけれど。
——でも悲しい。
とても悲しい。