2014年3月4日火曜日

マーク・スカウソン「自由と市場の経済学: ウィーンとシカゴの物語」

 マーク・スカウソン「自由と市場の経済学: ウィーンとシカゴの物語」

 非常におもしろく読んでいたら気になる一節があった。
 実質賃金と失業の間に密接な統計的関係があるというのだ。そういう研究結果があると。あれ。今の日本がそうじゃねえか。政府(安倍首相)は企業に賃上げを求めている。

政策により均衡水準を超えて賃金を上昇させると、失業が広い範囲で起こりつづけると論じた。

 とある。
 まぁ、均衡水準というのが問題になるのだろうが、もし現在の賃金水準が均衡していないのなら、そのこと自体が問題だろう。その問題をまず解決すべきだろうし、仮に均衡しているのなら賃上げを求めるべきじゃない、ということになる。
 失業率があがるのなら弱い立場の人間から失業していくことになるだろうから、非正規労働者、契約社員から職をうしなっていくことになる、というわけか。
 わあ、なんか嫌な未来だなぁ。