スティーヴン・キング「死の舞踏」によると、「カプリコン・1」は駄作らしい。えー、そんなことはないだろう。すくなくとも個人的には映画館で五回は見直しているし。
公開当時、手塚治虫が書いていた小説(マンガではなく)のネタが「カプリコン・1」とかぶってボツにしたと悔しがっていたし、清原なつのの「花岡ちゃんの夏休み」の中の一編で——たぶん「早春物語」かな——背景の本棚のシーンで、「カプリコン・1」のセリフが落書きされていた。
——エリザベス、水がない。
とか。
ちなみに映画館で観たものとは訳が微妙にかわっていて——「エリザベス、水がない」はなくなっていた——ちょっと違和感だった。それにしてもエリオット・グールド演じる記者の尺はけっこうあったんだなぁ。というか、中心だった。すっかり忘れていたけれど。カーアクションのところなど、当時、「フレンチコネクション」のカーアクションみたいだ、と思ったことを思い出す始末だった。