2013年10月30日水曜日

SSD換装(FreeBSD 9.2をインストール)

 中古のSSDが手に入ったこともあってThinkPadのハードディスクを換装することにした。ここで換装しないといい切っているけれど。一応、FreeBSD 9.0以降はSSDのtrim対応されているらしいし。SSDをふっとばしたときのOSはWIndows XPで、あれはたしか、trim対応されたなかったはず。
 まぁ、興味本位だが、バッテリーがへたってきているので保ちが多少なりともましになってくれれば、いいと願っている。
 思ったより苦労してしまった。インストールしたのはFreeBSD 9.2。インストーラーがsysinstallからbsdinstallに変更されていてどうやらbsdinstallでOSをインスールしてからそのあと、起動してあらためてsysinstallでpackagesをインストールする、という手順になるらしい。

 とりあえず、SSD全体をひとつのパーティションに設定。swapはディスク割り当てではなく、swapファイルに(trim対応されているのはufsなので)。
 bsdinstallでインストールしたあと、シェルにはいって作業。ここを参照。
 そのあと、インストーラーを再起動して(mountされたSSDをうまくumountできなかった)、ファイルシステムにtrim設定。ここを参照。
 ここまでは楽勝。
 といっても最初はVMWAREから裸族のお立ち台経由でUSBドライブとしてインストールしていたのだが。trim設定してmountしてみると、このSSDはtrimをサポートしてないよ、みたいなワーニングがでた(これは最終的にUSB経由だったかららしい)。

 OSのインストールは問題なかったのだけれど、アプリケーションでつまづいた。
 下記に羅列。

1 subversionがおかしい。

 バージョン1.7と1.8ではチェックアウトされたファイルの管理され方が変更になっているらしく、ごっそりディレクトリ配下をコピーしただけでは動かなかった。この原因がわかるまでかなり右往左往してEmacsのバージョンを24から23にするなど、してしまった。

2 chromeが表示されない。表示域が真っ白。ブラウザ自身は表示しているつもりらしい。

 理由不明。packagesのバイナリミス? 使わないことにする。
 解決=>「FreeBSD-9.2-RELEASE chromium-29.0.1547.57 画面真っ白?

3 gnome2でエラーがでる。

 理由不明。packagesのバイナリミス? gdmからxfce4を使うようにする。

4 gnuplotがpackagesからインストールできない。

 これは以前からそう。どうしようか、考え中。
 結局、portコレクションからのインストールも失敗。頭にきてソースから直にconfigure&makeする。

 ほかにもいくつかあったような気がするけれど(xfce4の設定に苦しむとか)、一応、動作するようになったので、この文章もSSD換装後の環境で書いている。

2013年10月23日水曜日

新房昭之監督「魔法少女まどか☆マギカ」

 かなりの周回遅れで「魔法少女まどか☆マギカ」を観た。
 あちらこちらで大絶賛で傑作といわれているのも知っていたのだけれど(=>『魔法少女まどか☆マギカ』最終話感想(ちょいネタバレ?))、あまり食指は動かなかった。「魔法少女」というタームと絵柄だけでちょっと忌避していた。どうせ、と先入観もあった。ご都合主義のファンジーでしょ、と。今まで一本だって魔法少女ものを観たことなんてなかったのに。

 観る気になったのは監督が「化物語」と同じだと気づいたときだった。
 第3話まで観ると、一気に作品世界に飲みこまれた。もう止まらなかった。ほとんど一気観した。ようやく「化物語」から復帰したばかりだったというのに。また脳内リピートのしすぎで頭が痛い……。正直、ここまですごい作品とは思ってなかった。個人的には「2001年宇宙の旅」すらこえているじゃないか、と思うほどだった(一瞬、作中に「2001年 宇宙の旅」をおもわせるシーンがでてくる)。
 まさか諸星大二郎の「孔子暗黒伝」まで思い出すとは。
 おもしろさのタイプがちがうので比較はできないけれど、「化物語」よりも上かもしれない。ストーリーの練度が高い。それに「化物語」は「千石撫子」にたいする嫌悪感が強すぎてなぁ。もっとも「なでこメドゥーサ」でそれも解消されたけれど。

 話の密度の高さと無駄のなさは異常なほどで、驚いたのはカレンダーにつけられた印すら伏線になっていたことだ。気づいたときには愕然した。
 そして、とくに冒頭シーン。
 そのひっかけに気づいた瞬間、やられたっ、と声をあげてしまった。だまされたっ、そういう意味だったのか、と。なのでこの仕掛けをぼくはきわめて偏愛しているのだが、なんと劇場用に再構成されたとき、カットされてしまっているらしい(Wikipediaによると)。圧縮不可能なほどの密度の作品を圧縮したのだからしかたがないのかもしれないけど——それでもそれはとても悲しい。
 好みが一般的でないことは自覚しているけれど、あの仕掛けを偏愛している人間としてはとても残念だ。

 そして、完全新作の劇場第三作がやってくる。
 また、ぼくに泣けというのか。今でもこの文章を書いているだけで泣けてくるのに。

2013年10月22日火曜日

新房昭之監督「化物語」

化物語 第一巻 / ひたぎクラブ
化物語 第二巻 / まよいマイマイ
化物語 第三巻 / するがモンキー
化物語 第四巻 / なでこスネイク
化物語 第五巻 / つばさキャット 上
化物語 第六巻 / つばさキャット 下

 西尾維新が天才なのはわかっている。

 といってもデビュー作の戯言シリーズの最初の三作品を読んだにすぎないけれど。おもしろいだけではなくて中毒性も高くて、熱狂したり、熱中した作家は何人もいるけれど、ここまで作品世界にはまりこんでしまいそうな作家ははじめてだった。はっきりいってびびって読むのをやめた。
 「化物語」はその西尾維新作品のアニメ化である。
 最初の「ひたぎクラブ」を観てひっくり返った。西尾維新の世界がアニメになっている。しかもそのおもしろさ、中毒性が増幅されている。おそらく(というのも原作は未読なので)。
 で、こちらもびびってつづきを観るのをやめた。
 ところがである。
 テレビ放映中の続編——「物語シリーズ セカンドシーズン」を観てしまった。「傾物語」——もう最後のクライマックスで涙だだもれ。泣きじゃくり。何度も録画を観なおしては泣いてしまう有様だった。「傾物語」ではある日に起きたことがキーポイントになっているのだが、どうもこれは「化物語」のエピソードらしい。
 全話、観た。
 初見ですげえとは思ったけれど、泣かなかった「ひたぎクラブ」ですら泣いてしまった。観なおせば、観なおすほど、涙もろくなってしまうようだった。こんなに情動を揺さぶられてしまうとは。
 一番、好きな話は「まよいマイマイ」なのだが、ラストで主人公がヒロインにいうセリフが理解できなくて何度も見返してしまった。それでもわからない。なんだろうなぁ、と思いつつ、「化物語」の音楽CDをAmazonで探していているとき、その中にそのセリフを冠した曲があった。その字面を見てようやく意味がわかった。「戦場ヶ原、蕩れ」
 あっ。
 あんなにアニメの中に文字があふれているのに「戦場ヶ原、蕩れ」という文字を挿入してくれてなかった。一瞬でも見せてくれれば、すぐにわかったのに。
 まぁ、一番、好きなエピソードはエンディングテーマにもなっている「つばさキャット」の「其ノ貳」だが——これも何度、観なおしたことか。気づくとネチネチといろんなシーンを脳内でリピートしていて、黒羽川の「ニャーハハハ」という声が耳にこびりついてはなれなかった。さすがに耽りすぎて頭痛がした。

 以上、療養もかねて。

2013年10月9日水曜日

吾妻ひでお「失踪日記2 アル中病棟」

吾妻ひでお「失踪日記」 吾妻ひでお「失踪日記2 アル中病棟」

『失踪日記2 アル中病棟』を語る

吾妻 もちろん売れてくれればうれしいし。かといって自分が面白いと思ってることと世間が面白いと思うことが、一致するとも限らないし。売れなければまた何か描くし。もっと言うと『失踪日記』はあれでひとつ完結してるものだから、その続きを描くっていうのもいいのか悪いのか......っていまさらなんだけど(笑)。

 いやいやいやいや(笑)。
 たしかに「失踪」に関しては完結していたけど。「失踪日記」の中にあるアル中病棟の話はどう見てもつづきがあると待ってましたがな。もうでないのか、とあきらめてしまっていたほど。
 読んで満足。ぼくはお酒は飲まない人だけど、アル中になって病棟に入ってみたい、と思ってしまった。

2013年10月3日木曜日

田中徳三監督「眠狂四郎 殺法帖」/三隅研次監督「眠狂四郎 勝負」/長谷川安人監督「集団奉行所破り」

 田中徳三監督「眠狂四郎 殺法帖」
 三隅研次監督「眠狂四郎 勝負」
 長谷川安人監督「集団奉行所破り」

 偏見だったのかもしれないなぁ。かつて日本映画が黄金期といわれていたころの映画——一部をのぞいてつまらないものばかりだ、という。それは観たことがないくせに抱いていた偏見だったのかもしれない。
 このところ、なぜか、そのころの映画を立て続けに観ていて——田中徳三監督「眠狂四郎 殺法帖」(1963年)三隅研次監督「眠狂四郎 勝負」(1964年)、長谷川安人監督「集団奉行所破り」(1964年)——そう痛感した。一部をのぞいてつまらないものばかり、というのは拡大解釈すれば、たいがいのことには当てはまってしまうのだけれど。
 「眠狂四郎」はまぁ、原作が柴田錬三郎だから存外、おもしろいのかもしれない。などと考えていたのだけれど、オリジナル脚本とおもわれる「集団奉行所破り」も非常におもしろかった。よくできていて展開もはやく、意外性に富み、伏線やひっかけが縦横に張り巡らせてあるし、キャラクターも魅力的。セリフもいい。はっきりいって好みだ。しかも伏線を張りながらそれをわざと回収しない、という高度なことまでやっている。
 いやあ、あなどれない。