2013年9月5日木曜日

米澤穂信「折れた竜骨」

 米澤穂信「折れた竜骨」(上)
 米澤穂信「折れた竜骨」(下)

 読みはじめてすぐにウンベルト・エーコの「薔薇の名前」を思い出したのだけれど、これは単純に舞台が中世だということと、探偵役が師匠とその弟子というコンビだからだろう。あまりにもおもしろくて読むのをやめれなかった。とくに下巻は一気読み。無駄がなく、そのくせ、広く深く芳醇。そんな作品だった。
 読み終えて——さあ、寝ようか、と布団にはいったときにふと、タイトルの意味に気づく。そういう意味かっ。あまりの衝撃に愕然とした。こんな経験、はじめてだ。

 今までの人生で読んできた本の中でもベストの一本。
 すばらしい。