2012年11月13日火曜日

アミール・D・アクゼル「天才数学者列伝 数奇な人生を歩んだ数学者たち」


アミール・D・アクゼル「天才数学者列伝 数奇な人生を歩んだ数学者たち」

 1÷3の結果はコンピュータで表現できないよなぁ、と思っていた。0.33333...(あと無限につづく)だから。でも分数としてなら表現できるよなぁ。つまり「1/3」である。何でそうしてないのだろう?
 浮動小数点という丸めが発生するものをつかっているんだろ?
 馬鹿なのはぼくだった。
 まぁ、結果はあきらかだったのかもしれないのだが――アミール・D・アクゼル「天才数学者列伝 数奇な人生を歩んだ数学者たち」を読むまでそのことに気づかなかった自分に愕然とした。なんとぼくは無理数は分数で表現できると考えていたのだ。整数の間(たとえば、0と1の間)の小数はすべて分数で表現可能だと。
 実はそうでないのだが、それは「神は数である」とするピュタゴラス学派自身がピュタゴラスの定理によって数(整数と分数)で表現できないものがあることを証明してしまったという。ずいぶんと昔の話である。
 何が愕然とするってぼくはピュタゴラス学派のこのエピソードについては知っていたのだ。アルトゥーロ・サンガッリ「ピュタゴラスの復讐  数学ミステリー」で読んだし、たしか別の本でも読んで知っていた。
 なのにまったく気づいてなかった。
 馬鹿である。
 ずっと有理数についてかんちがいしてたんだなぁ……。この歳になるまで。歳は関係ないけど。