安部公房「箱男」 安部公房、すげーっ。
もしかしたらエリック・マコーマックの「
パラダイス・モーテル」より好みかもしれない。「
他人の顔」を読んだとき、ラストにのけぞってしまったことを思い出した。
たぶん「箱」はカメラを暗喩しているのだろう……。
見る者と見られる者。
そう思ったものの、それはぼくが昭和生まれだからかもしれない。
もしかしたら平成生まれの人間にはカメラを「箱」と思わないのではないか――レンズ付フィルムが世に出回り、デジカメ、果てには携帯電話の機能のひとつになってしまった今は。