稲垣理一郎/村田雄介「アイシールド21」 ふと最初の方を読み返したくなり、読んでいるうちに止まらなくなり、一日かけて全巻、読み直してしまった。元々、連載中から毎週、ジャンプで読んでいて単行本も買っていて、気に入っていたということはあるのだけれど――読んでいるあいだ、何度となく、泣いて涙と鼻水を流してしまった。
よくできているんだよねー。
連載中、最後はさすがにボルテージが落ちたな、と思っていたアメリカ編ですら号泣モードだった。というか、あらためて読み直してみると、アメリカ編もわるくない。
そうして思ったのが、最近の少年マンガってすごいな、ということだ。
涙もろくなっているということがあるにしても、自分がほんとうに少年だったときに読んでいた少年マンガで泣いた記憶がない。手塚治虫とか、石ノ森章太郎とか、永井豪とか、梶原一騎とか、けっこう大家のマンガでもおもしろくて夢中になっていたけれど、感動した記憶はほとんど、ない。「
デビルマン」のラストぐらいじゃないかな、ほんとうに感動したのは。
もしかしたら少年のときのぼくに感情がなかっただけなのかもしれないが、どうも記憶をたどるに、少年マンガでやたらと泣かされだしたのは少年ジャンプの「キン肉マン」「リングにかけろ!」以降のような気がする。もちろん作品によってなのだが。