2011年5月28日土曜日

千街晶之「幻視者のリアル (幻想ミステリの世界観)」



 俎上にあげられている作品のほとんど読んでいないことにショックを受けた。どちらかといえば、幻想ミステリは好きだし(そのはずだ)、この間など「ミステリウム」に深い感銘を覚えたというのに。中井英夫の「虚無への供物」だって好きだし、夢野久作だってそうなのに。
 ほとんど読んでいなかった。
 元々、多読なたちではないのだが、それにしても。
 とくに赤江漠と皆川博子を読んでないことはショックだった。そのことを思い知らされた。
 赤江漠と皆川博子は――高校に入った年、毎月、貸本屋で小説現代を月遅れで借りて眺めていた(あまり読んではいなかった)とき、よく見かけていた名前だった。気になっていた名前だった。皆川博子の「水底の祭り」を読んでショックを受けていたというのに――全然、著作は読んでいないのだった。
 せめてこの中の著作のいくつかは読んでみたいのだが、読むことはできるだろうか……。