2011年2月17日木曜日

小松左京監督「さよらなジュピター」

さよならジュピター

 ウィンドサーフィンをはじめたのはもう三十年近い前で――ウィンドサーフィンの専門誌「ハイ・ウィンド」が創刊された頃だった。熱中と倦怠をくりかえしながらも延々とウィンドサーフィンをやってきたけれど――今は倦怠期――、その間の道具の変遷には驚くほどだ。
 道具を使うスポーツならどれでもそうなのかもしれないが、道具の進歩がパフォーマンスのレベルを簡単に向上させてしまう。そうなると、かつて先鋭的だと思えたデザインがものすごくダサいものに見えてくるのだから不思議だ。


 先年、津波が日本に押し寄せてきたとき、YouTubeにハワイの様子という感じで動画がアップされた。
 それを見たとき、ぼくは即座に違和感を覚えた――ほんとうに今の映像なのか、これ、と。なぜか? 中に映っていたウィンドサーフィンの道具が信じられないぐらい古いものだったのだ。今、この時代にこの道具はありえねえ……。
 Twitterではハワイがこんな状態に!という発言が飛び交っていたのを尻目に、YouTubeの他の動画を検索してみたらまったく同じ動画があらわれた。昔の津波の動画をだれかが再アップしたものらしい。どういう意図があったのか、わからないけれど。


 それはどうでもいいのだけれど、映画「さよならジュピター」を見たときには純粋にこまってしまった。
 「さよならジュピター」は知る人ぞ知るSF映画で、木星を開発している集団があり、それに反対する自然を守れ、というセクタとの争いをしているところにブラックホールがやってきて……という未来を舞台にした宇宙SF映画だった。その中で主人公が自然派の御大のところをたずねるシーンがある。
 たぶん沖縄で撮影したものだったと思うのだけれど、美しい海が広がる中、一艇のウィンドサーフィンがゆっくりと画面を帆走していった――。
 それを見たときはぼくは目を大きく見開き、心の中で叫んでいたのだ。

 ――古っ! 未来なのに古っ!

 ウィンドサーフィンの道具が当時としてもすでに古い一世代前のものでダサかった。