地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
地球温暖化問題でCO2を減らせ、と意見を持つ人ならなおのこと、この本には目を通すべきかもしれない。アル・ゴアの「不都合な真実」を読むだけではなく。
実はこの本を読んで一番、ショックを受けたのは京都議定書についてのあつかいだった。
その内容についてではない。この本では京都議定書にたいしては一貫して否定的だ。そして、そのことは地球温暖化にたいする著者の態度とともに一貫している。すくなくともこの本を読んでいる間はそれは正しい、と感じさせるし、ぼく個人としては強く同意している。
にもかかわらず、京都議定書について否定的に書かれている箇所にくると自分の中に奇妙な抵抗を感じた……。自分自身、その反応には驚いた。ナショナリズムに嫌悪感を覚える性向があるのにもかかわらず、京都議定書について否定されると心が強い抵抗を示すのだ。なんだ、これは――。おそらく京都ではなく、たとえば、ロンドン議定書などであったのならこの抵抗感はなかったのではないか。
つまり自分が日本人であり、日本で行なわれた国際会議の結果にたいして肯定的にとらえようとするバイアスが強くあった……。
これはぼくだけなのか?
鳩山総理のCO2削減宣言などを見ると、そうではないような気がする。