まるでこれまで読んだ[
アダム・ファウアー「数学的にありえない」や[
レナード・ムロディナウ「たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する」のネタ本のような内容だった。確率に関しての記述はどうしてもこうならざろうえないのかもしれないが、原文のせいなのか、訳文のせいなのか、ひどく文意がとりづらい箇所が散見され、読み通すのが、つらかった。
愕然とさせられたのはエントロピーに関する部分だ。
エントロピー。復水盆に返らず。どうして復水は盆に返らないか。盆からこぼれた水がどうしてふたたび、盆に戻らないのか。分子の状態がランダムであるのならたまたま、盆に戻るような動きをすることもあるのではないか――。
重要なのはそのことが起きないと否定されていないことだ。
起きる可能性はある。
ただしそれが起きる確率は異常に小さい――宇宙が誕生してから繰り返していたとしても起きないほど――。そのため、復水は盆へ戻らない。
ひっくり返ってしまった。
これはもしかしたら時間はない、といっているのと同じではないか?