フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
前作「ロングテール」と併せ読むことをお勧めする。
おそらく多くの人が「ビットは無料になることを望んでいる」ということは十年以上前から気づいていたにちがいない。それにもかかわらず、本書のようにまとめられ、言葉――「フリー」をあたえられると、衝撃的だ。個人的にはGNU――スツールマンのフリーウェア宣言――フリーウェアは無料のソフトウェアのことではない。自由なソフトウェアだ――に影響を受けているので、「自由」と「無料」をまとめる「フリー」には顔面を殴られたような気分だった。
と同時に、これから急速にフリー化がすすむにちがいない。
概念が提示された以上、そのように発想することが容易になるからだ。多くの人がフリーからお金を生みだそうとするだろう。
かくいうぼくもアイデアが――これはいけるぞっ、というアイデアが浮かんだが、それをすぐに実現する道がない。人脈も伝手も資金もないぼくにはそれを実現する道がない。おそらく「フリー」を読んだ人の一部は同じようなアイデアを思いついたにちがいなく、その中のだれかがアイデアを実現するだろう。ちくしょう。想像するだけで悔しくて夜も眠れなくなるが、それが商売ってもんだ。