2009年6月2日火曜日

神永正博「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」



 今までの人生の中で衝撃を受けた考え方というのがふたつあって――ひとつは成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポートで知った「幾何級数的増加」という概念。
 もうひとつが「相関は因果ではない」ということで、そのことは本書でも述べられているけれど、知ったのはヤバい経済学 [増補改訂版]だった。まぁ、なんとなくそうなんだろうとは漠然と思っていたけれど、意識できるとそうでないのは大違いで。
 たとえば、花粉症の増加と人のついた寄生虫の減少のグラフを提示して寄生虫は宿主の免疫を補助するんです、という記事をふーん、そうなんだ、と思っていたりしていたのだから――今なら因果なのか? とか、突っ込めるだろうが。

 それにしても標準偏差の説明はおもしろいなぁ。

 個人的には69ページの非正規雇用率の推移が非常におもしろい。よく非正規雇用問題で「九五年レポート」をやりだまにあげるけど、グラフを見る限りだと、95年前後に特別な変化があるわけじゃないよなぁ。

 どうでもよいが、なんでこの本、ページ数が「016」とかに、なっているの?