昔、思いついて保留にしていた考えがある。
レコードが人類滅亡のあとに発見されたとして再生する方法がわからない場合、このレコードに情報がある、といえるだろうか?
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アラン・チューリングのエニグマを解読したbombeや、プログラム内蔵式コンピュータの話——たぶんACE——を読んだとき、現在のコンピュータとずいぶんちがうなぁ、という印象を受けていた。細かい動作などは理解していないのであくまで印象にすぎないのだけど。
デジタルっぽくないな、と。
回路の説明ばかりだったのでなおのことそう思ってしまったのかもしれない。
ENIACの説明を読むと、中身は十進数だし。
二進数の世界になったのは結局、クロード・シャノンの情報理論の影響だという——そんな話だ。
フォン・ノイマンやアラン・チューリングはわりと有名だけれど、クロード・シャノンの話はあまり聞かない——ノイマン型コンピュータとか、チューリング・マシンとか名前がついているものがあるせいかもしれないが。なんとなく、シャノンは通信 1についての人だと思いこんでいた。
電気回路が論理演算に対応することを示したのが、クロード・シャノンなのだ、という。
——それって現在のコンピュータでは当たり前とされる概念じゃん!
しかもそのあとに発表された「通信の数学的理論」ではビットという言葉もつくっている……。いや、それ、むちゃくちゃ現在のコンピュータの基礎じゃん!
たしかに「情報時代を発明した男」。
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ちなみにこの本を読んでようやく、冒頭の疑問に答えを得た。
答え:情報はある。
Footnotes:
実際、この本でその内容をはじめて知って——ぼんやりとは知っていたけれど——驚いた。