2021年4月6日火曜日

青空文庫

 坂口安吾の「堕落論」を読み直したくなった。
 理由はない。
 しかし、手元に現物はない。どうしたものか——買い直すか、図書館で借りるか。ふと青空文庫に入っているじゃないか、と気づいた。
 元々リリースされたときに、i文庫は購入している。すこしも利用していなかったけれど。そこから青空文庫を検索してみると、入っていた。さっそくダウンロードして読む。

 青空文庫のラインナップをつらつら眺めてそれにしても、と思う。これだけでも読み尽くすことはできないんだろうなぁ。いわんや毎月のように新刊が発行されるこの世の中すべての本など、とても。バベルの図書館など不可能だ。
 著作権の切れた作品がメインだけれども、作者が(たぶん)著作権を放棄したものも若干、あるようだ。片岡義男とか、円城塔とか。

 「堕落論」はすっかり内容を忘れていた。
 以前、読んだときにもそれほど、感銘を受けなかったのだけれど、終戦したあとの風景が(たぶん)山田風太郎の「戦中派動乱日記」の中の風景と同質で不思議な気分になった。