2016年2月9日火曜日

ビル・ヘイトン「南シナ海: アジアの覇権をめぐる闘争史」

 ビル・ヘイトン「南シナ海: アジアの覇権をめぐる闘争史」

 いやぁ、ほんとうにおもしろかった。
 南シナ海の歴史なんて太平洋戦争がらみでちょろとしか聞いたことなかったし——だいたい頭の中にあったのはせいぜい「快傑ハリマオ」ですよ。あかんがな。第一、南シナ海が舞台か?
 しかも自分が大きなかんちがいしていたことに気づく。
 海路としてマラッカ海峡喜望峰とならんで重要拠点だということはいちおう知っていたのだけど——谷恒生の冒険小説にまんまのタイトルがあるし——、実はどうしてマラッカ海峡が重要なのか、ピンときてなかった。インドシナとオーストラリアのあいだが大きくひらけているのに、と。そこを通りゃあ、いいんじゃね?
 で、この本を読んでいてあらためて地図をまじまじと見直したら、インドネシアとオーストラリアってむっちゃ近いんですわ。はじめてそれを認識した。1そうか。これなら要衝になるわけだ。

 ほかにもいろいろな——今まで疑問に思っていたことを納得する。それが正しいのか、どうかはわからないが、得心というやつだ。
 なるほどねぇ。
 それにしても日本というのはほんとうに特殊な位置にある国なんだなぁ。

Footnotes:

1

だいたいオーストラリアが環太平洋の一部ということにもぴんときてなかった。いつもなぜ? と思っていた。地図を見たら一目瞭然だった。