2013年3月22日金曜日

色川武大 (ちくま日本文学 30)

色川武大 (ちくま日本文学 30)

 土屋ガロン/嶺岸信明「オールドボーイ―ルーズ戦記」が「週刊漫画アクション」で連載されたときに、すぐにこの原作者の土屋ガロンって、狩撫麻礼の変名だな、ということに気づいた。たしか、狩撫麻礼名義で他の漫画の連載をしていたせいだと思う(「タコポン」だったかな?)。サブタイトルの「ルーズ戦記」というのはまさに狩撫麻礼という感じなのだけれど、「オールドボーイ」というタイトルは奇異に感じた。
 狩撫麻礼っぽいけれど、何か、ちがうという感じ。
 どこからこの言葉をもってきたのだろう、と思っていたら色川武大 (ちくま日本文学 30)に同タイトルの作品があることを知った。
 色川武大だったのか。

2013年3月15日金曜日

クラウドコンピューティングの終わりのはじまり?

 Google Readerが終了する、という。
 Gmailについでよく利用していたサービスなので正直、まいった。
 ウェッブブラウザからではなく、MobileRSS for iPadでの利用だったが。世間的にはわりと当然という受けとめ方のようだ。代替えをさがすのが面倒だということもあるけれど、ふとクラウドコンピューティングの終わりみたいなものを感じてしまった。
 というのもパソコンで動くアプリケーションなら、サポートが終了すると聞いてもここまでこまった、とは思わなかっただろう。アプリケーション自体は使いつづけることができる。
 ところがクラウドだと、終了即使えなくなる、ということだ。
 それに気づいてしまった。
 クラウドのリスクを認識してしまった。
 終わることもある、という認識。
 永遠はないとはいえ。

 Google Reader自体はサポート続行をのぞむ声もあり、そういう要望を出す動きもあるようだけれど、しかし何かが終わったという気はする。もう以前のようにのほほんとして使うことはできないだろうな、と。いつ終わってもだいじょうぶなように、とどうしても考え、行動してしまうだろう。
 ただ、問題はiPadからの利用だとどうしてもクラウドサービスにたよらざろうえないってことだ。これはあんがい、iPad自体の利用にも影響するかもしれないなぁ。どうりでAppleは自前でクラウドサービスを提供しようとするわけだ。

2013年3月11日月曜日

ジェイムズ・グリック「インフォメーション: 情報技術の人類史」

インフォメーション: 情報技術の人類史

  ひさしぶりに読みごたえのある一冊だった。
 最近、あんまり本を読んでないということもあるけれど。
 バベッジとシャノンについてけっこう、ページが割かれていて——このふたりについてあまり予備知識がなかったということもあってとてもおもしろかった。バベッジすげー、シャノンすげー、と。とくにシャノンの情報理論については目からウロコだった。エントロピーと関連があるとは知らなかった。まさかエントロピーが最大の状態が情報量が最大の状態とは。目からウロコ以外の何物でもなかった。
 最終的にはチャイティンにまで触れられている。
 そして、量子コンピュータにも。
 実は個人的にはそのうちだれかが、量子コンピュータは実現不可能であることをゲーデルの不完全性定理のように、数学的に証明するのではないか、と思っているのだけれど——この本を読んでもうひとつ、可能性があることに気づいた。量子コンピュータを実現できてもそこから情報をひっぱりだせないのはないか、と。それがまさに量子たる所以でもあることだし(ただの素人の妄想)。
 しかし、おもしろいわー。
 世界はおもしろい。
 それにしても自分が生きてきたこの時代はとんでもない時代だったんだなー。知らなかったけど。まぁ、産業革命のころに生きていた人も蒸気に興奮しまくりだったのだろうけど。