これは単純に馬券を買いつづければ、回収率がその割合に収束するということでもある。これはどんなギャンブルでもそうだろう。勝つための方式が存在しないかぎり。
パチンコなどのテラ銭はその店の心積もり次第だろうが、競馬では法律でその割合が定められている。それが25%であり、20%だという。競馬法のわけのわからない文章を眠くなりながら読んでみて25%という数字はどこにもなかった。ついでにいうなら単勝式および複勝式にたいする特別な還付という項目もぼくは見つけ出すことができなかった。結局、直接的な25%という数字はなく、ちょっと複雑な数式を読み解いてみると、だいたい、25%ということになるらしい。ぼくがざっくり計算してみたら73.8%ぐらいだった。
眩暈がするような数値だ。
こんな不利なギャンブルを毎週、やっているか、と思うと吐き気すら覚える。
ちなみに競馬法には次のような項目もある。
競馬法
第10条 払戻金を交付する場合において、前3条の規定によつて算出した金額に1円未満の端数があるときは、その端数は、これを切り捨てる。
2 前項の端数切捨によつて生じた金額は、日本中央競馬会の収入とする。
いわゆる端数効果である。
当たり前だが、これは確実に回収率を下げる役割を果すことになる。これってどのくらいなのだろう……。これ次第で毎年の回収率はかわるはずだ。
単勝について調べてみた。
全レースの全通り全頭の勝ち馬のオッズの総計 ÷ 出頭総数
これで単勝の回収率がでるはずだ。これはいわゆるテラ銭の率に収束するはずなのだから――その差が端数分ということになる。JRAが嘘をついていなければ。
次がその結果。
年 | 出頭総数 | オッズ総計 | 回収率 |
---|---|---|---|
2001 | 47116 | 34276.6 | 0.72749 |
2002 | 48671 | 35926.9 | 0.73816 |
2003 | 47442 | 35552.0 | 0.74938 |
2004 | 47309 | 32783.3 | 0.69296 |
2005 | 47702 | 34514.6 | 0.72355 |
2006 | 48749 | 35580.2 | 0.72987 |
2007 | 48547 | 35829.4 | 0.73804 |
2008 | 49909 | 36466.3 | 0.73066 |
2009 | 49529 | 35107.1 | 0.70882 |
2010 | 49600 | 35027.2 | 0.70619 |
ええっ、てなもんである。
去年、今年は回収率はだいたい70%。これはテラ銭が30%ということを意味している。なんだ、これは。おれが競馬を再開したからか? それにしても端数効果5%とは……。どんだけ馬券購入者の財布からぶんとっているんだよ……。
そして、この結果を見ると、単勝式のテラ銭は20%というのは都市伝説かなにかだったらしい。