2015年4月3日金曜日

原田隆之「入門 犯罪心理学」

 原田隆之「入門 犯罪心理学」

 いやあ、おもしろい。そしてほっとした。いろいろと世の中、かわってきているんだな、と。覚醒剤常習者や性犯罪者にたいしてエビデンスにもとづいた——統計学的に有効な——治療が行なわれつつある、ということなど。

 実は、テレビで自画像を描かせてその人の心理を分析するのを見るたび、これってどのていど、信頼できる話だろう、と思っていたのだけど——ほんとうらしくも見えるけど。右側に描くのは右脳が、とかいったりするのを聞いてほんとうか? と。
 よくよく考えると、世の中にはロールシャッハテストというものがあるじゃないか。無意味なインクの染みを見せて何に見えるか、と答えさせるやつ。ということは自画像を分析する人は自分自身にたいしてロールシャッハテストを行なっていることになりやないか?
 ロールシャッハテストによる性格診断は役立たないということが1970年代以降の研究で実証されている、という一文を読んでふとそう思った(結局、ほんとうらしく見えたのは生存者バイアスだったんだろうなぁ。ほんとうらしく見えないときは番組で放送しないだろうから)。